Salesforce(セールスフォース)は何がすごいのか?機能や導入メリットを解説

  • 2022年7月19日

Salesforce(セールスフォース)は、世界15万社の企業が導入しているCRMプラットフォームの名称です。Salesforce(セールスフォース)を導入すれば、BtoBやBtoCの営業現場で起こりがちな以下のような悩みが解決できます。

  • 外出先からでも、営業担当者が簡単に情報を取り出せるようにしたい
  • 営業担当者の活動状況を瞬時に把握し管理に役立てたい
  • 顧客の状況を分析し営業活動に役立てたい

今回の記事では、Salesforce(セールスフォース)のサービス概要や料金体系、メリットデメリットについて詳しく解説します。

Salesforce(セールスフォース)とは

まずはじめに、Salesforce(セールスフォース)を提供しているセールスフォース社の会社概要からご紹介します。

Salesforce(セールスフォース)の会社概要

会社名(日本法人)
株式会社セールスフォース・ジャパン
※本社米国セールスフォース(サンフランシスコ) 
設立2000年4月
資本金4億円
代表者代表取締役会長 兼 社長 小出 伸一
事業内容クラウドアプリケーション及びクラウドプラットフォームの提供

引用:セールスフォース公式サイトより
https://www.salesforce.com/jp/company/overview/

セールスフォースが提供するサービスのの市場シェア
ちなみに、セールスフォース社が提供するプラットフォームは、CRM市場で19.5%のシェアを誇っています。

(※セールスフォース公式サイトより)
https://www.salesforce.com/jp/campaign/worlds-number-one-CRM/

MicrosoftやAdobe社など有名企業が提供するサービスのシェアが4%前後ですから、いかにセールスフォース社のサービスが、圧倒的な支持を受けているかがおわかりいただけるでしょう。

※画像引用元:セールスフォース公式サイトより
https://www.salesforce.com/jp/campaign/worlds-number-one-CRM/

TモバイルやABB、P&Gやビッグローブなど、世界の名だたる企業がセールスフォースを導入しているのには理由があります。

以下にいくつかの企業での導入事例をあげていますので、参考にしてください。

①P&Gの導入事例
・代理店に瞬時にリードの割り当てができるようになり業務効率化がはかれた
・外出先でも顧客情報が確認でき、スムーズな顧客対応が可能になった

②世界最大級の蒸留酒メーカー Brown-Formanの導入事例
・外出先でもすべての社員が最新の情報を共有できるようになり、充実したサポートが可能になった
・導入と同時にシステムをカスタマイズできたため、ストレスなく導入できた

Salesforceの代表的なサービス

Salesforce(セールスフォース)が提供するサービスは多岐にわたりますが、今回は以下の4つのプラットフォームをご紹介します。

それぞれのサービスは独立しているように見えますが、営業情報や顧客情報は一元化されており、営業活動の効率化や顧客のナーチャリング(顧客育成)を早期に実現できる点が特徴です。

セールスフォースのサービス
・Sales Cloud…CRM/SFAツール(顧客&営業管理)
・Service Cloud…コールセンター向けサポートシステム
・Marketing Cloud Account Engagement (旧 Pardot)…マーケティングオートメーションツール(見込み客の育成)
・Salesforce Platform…セールスフォース提供アプリの開発や管理ツール

Sales Cloud

Sales Cloudは、顧客管理と営業プロセスが一元管理できるCRM/SFAツールです。
Sales Cloudをタブレット端末などに実装すれば、営業担当者はどこにいても顧客情報が確認できますし、営業結果も瞬時に報告できます。

営業管理者もリアルタイムで販売状況が把握でき、早期の戦略立案や変更に役立てられる点が特徴です。

機能と価格

おもな機能

  • 取引先管理
  • 案件管理
  • 社内情報の共有
  • 営業管理

価格

  • 3,000円(ユーザー10名)
  • 9,000円(あらゆる規模に対応可能)
  • 18,000円(カスタマイズ可能)
  • 36,000円(CRM機能のサポートが無制限)

※1ユーザーあたりの月間利用料、税別
※年間契約が条件

また、Sales Cloudには承認プロセスも含められるため、場所や印鑑の有無などを気にすることなくスピーディーな意思決定がおこなえます。

Sales Cloudはクラウドタイプのシステムのため、メンテナンス料などを心配する必要もありません。

Service Cloud

セールスフォースが提供するSales Cloudとは別に、Service Cloudと呼ばれるサービスもあります。双方似たような言葉ですが、それぞれの機能は異なり「Salesforceは営業管理」「Service Cloudは顧客のサポートや育成」がメインです。

Service Cloudの機能をひと言でいうと「カスタマーサポート向けのクラウドサービス」といえます。

機能と価格

おもな機能

  • ナレッジ共有
  • サービスプロセスの自動化
  • ケース管理

価格

  • 3,000円
  • 9,000円(ユーザー数上限なし)
  • 18,000円(カスタマイズ可能なCRM)
  • 36,000円(CRM機能が無制限)

※1ユーザーあたりの月間利用料、税別
※年間契約が条件

上記の機能のなかで、もっともニーズが高いのは「ナレッジの共有」でしょう。

従来の顧客対応では1件1件の対応に時間がかかり、顧客の状況に合わせたリソース配分が煩雑になるケースも多いでしょう。Service Cloudを導入すれば、顧客はナレッジ共有により問題を自己解決することも可能になります。

ケース管理機能と合わせて利用すれば、エスカレーションしたときの割り当て対応も自動化できますので顧客に迷惑をかけることもありません。

Marketing Cloud Account Engagement (旧 Pardot)

Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)のおもな機能は、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)です。

WEBやSNSで獲得したリード情報があっても優先順位が付けられず、見込顧客を失ってしまうことはよくあることです。

Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)なら顧客の状況をスコアリングし、成約見込みの高い顧客から優先して対応できる点が特徴です。

機能と価格

おもな機能

  • 顧客にあわせたリードナーチャリングと評価
  • メールマーケティング機能
  • マーケティング効果分析をふまえた営業との連携

価格

  • 150,000円(標準プラン)
  • 300,000円(アナリティクスを装備したMA)
  • 480,000円(カスタマイズ可能なCRM)
  • 1,800,000円(予測分析ツール+サポート)

※税別、年間契約が条件

Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)には、顧客ステージに合わせカスタマイズされたメールを送信する機能も完備されています。
充実したメールマーケティング機能を使えば、開封率も格段に上げられます。

Salesforce Platform

既製のシステムを導入しても「自社の営業管理にマッチしない部分が多い」など、結局は使いこなせていないケースがあるかもしれません。

Salesforce Platformは特別なコードを使うことなく、アプリひとつで自社にあったシステムにカスタマイズできるサービスです。

機能と価格
おもな機能

  • アプリケーションのカスタマイズと管理
  • アプリ開発がノンプログラミングで実行可能

価格

  • 3,000円(使用可能オブジェクト数…10)
  • 120,000円(使用可能オブジェクト数…110)

※ユーザーあたり税別、年間契約が条件

自社にあったアプリに改変しようとすると、外部へのITコストがかかり改変後の管理費用も必要になってきます。

その点Salesforce Platformには、複雑なコードを使わずにマウス操作のみでアプリケーションの開発ができる機能もあります。
自社にあったアプリを開発できることで、営業だけではなく社内のあらゆる部署がストレスなくシステムが利用でき、結果として業務効率化とコストダウンにつながる点がメリットです。

Salesforce導入メリット

ここで、あらためてSalesforce(セールスフォース)導入のメリットを整理してみましょう。Salesforce(セールスフォース)導入のおもなメリットは、以下の6点です。

  1. 営業活動の効率化がはかれる
  2. 部署間の連携がスムーズになる
  3. 高度なセキュリティがあるため安心
  4. カスタマイズの自由度が高い
  5. サポートが充実
  6. マルチデバイスに対応

営業活動を効率化できる

BtoBの営業現場において、リアルタイムで営業進捗を管理することは、収益向上の面でもとても大切なことです。

SFAを利用すれば、管理者はスタッフひとり一人の状況を確認し「訪問数が少ない」「成約率が伸び悩んでいる」など、ボトルネックになっている部分を瞬時に把握できます。
タイミングよく伸びしろのあるスタッフのサポートをおこなうことで、組織全体の目標達成率をより高めることも可能です。

営業担当者自身も、SFAを活用すれば営業報告のためにわざわざ帰社する必要もないため、働き方改革にも効果的です。

また、SFAのダッシュボードで顧客情報はもちろん、営業進捗などをグラフやチャートで直感的に管理できる点もメリットといえます。

部門間の連携の改善が可能

顧客に関する情報が属人化したり社内で情報の共有化ができないと、業務の非効率化につながります。なによりも、情報を確認しないまま顧客対応することで、クレームなどを招くことにもなりかねません。

セールスフォースが提供するサービスは、どんな部署でも顧客情報を共通画面で確認できる点がメリットです。情報の共有化は、売上アップにも欠かせません。

たとえば、特定の営業担当者だけが情報をひとり占めしてしまうと、見込み顧客であっても成約タイミングを逃してしまう可能性が出てきます。
セールスフォースの導入により、顧客の対応履歴や見込み確度の共有もできますので、チャンスを逃すことはなくなります。

また、社員間の連携にはSalesforceが提供するクラウド型社内情報SNS「Chatter(チャター)」が便利です。

高度なセキュリティシステム

大量の顧客情報をCRMで管理する場合、脆弱なセキュリティが原因で発生する「個人情報流出事故」は絶対に避けなければいけません。

その点、Salesforceが提供するサービスは万全のセキュリティシステムが機能しているため安心です。

Salesforceの代表的なセキュリティ機能をまとめていますので、ご覧ください。

  • 多要素認証を導入したシステム…「知識情報」「所持情報」「生体情報」のなかで2つ以上の認証に成功しなければログインできない
  • パスワードポリシーのカスタマイズ設定が可能…パスワードの長さや複雑さを自由にカスタマイズ可能
  • IPアドレス制限…信頼できるIPアドレス以外からのアクセスを遮断できる
  • イベントモニタリング…Salesforceの利用状況をリアルタイムで確認できるため、異常を発見しやすい

カスタマイズの自由度が高い

どのような業態でも、営業管理や顧客管理システムを使いこなすには「直感的に使えること」「ストレスなく誰でも使いやすいこと」が大切なポイントになります。

セールスフォースのサービスは、ローコードまたはノーコードでアプリのカスタマイズが可能です。

また、仕事の優先度や毎日確認すべき情報はユーザーや部署ごとで異なります。
Salesforceでは、ホーム画面のカスタマイズも可能です。毎日のToDoリストや未承認案件のリストなど、部署ごとに異なる優先事項もそれぞれのトップ画面で確認できるため、業務効率化にも役立つ点がメリットといえます。

導入後のサポートも手厚い

導入プランにもよりますが、Salesforceではさまざまな手厚いサポートが受けられます。
とくに、夜間や土日など急を要するトラブルが発生した場合に利用できるサポートダイヤルは非常に安心です。

Salesforceには以下のようなサポート体制がありますので、社内はもちろん顧客に迷惑をかけることもありません。

サポート体制の一例

  • ユーザーの状況を理解したサービスエンジニアが24時間365日待機
  • 定期的なコミュニケーションを通じ、トラブルを未然に防ぐ体制が充実
  • システムの問題点をいち早くキャッチし、必要なバージョンアップを実施
  • 継続したサポートをおこなうための有償トレーニングプログラムの提供

マルチデバイスに対応

「マルチデバイス」とは、PCだけではなく、モバイルやタブレット端末など多種多様な端末で情報の確認ができることを意味します。

SFAで営業管理をする場合、スマートフォンでもPCで見るのと同じ情報が閲覧できたり、営業結果をリアルタイムで報告できる点はマルチデバイス化のメリットといえます。

ただ違った端末で情報を見る場合、「見え方」や「表示速度」などが異なる点に注意が必要です。たとえば、PCではスムーズに動くシステムでも、スマートフォン上で操作するとぎこちなく動くケースも多々あります。

Salesforceならデバイスごとに最適化された状態でサービスが利用できますので、ストレスなく利用できる点がメリットです。

Salesforceの導入デメリット

抜群のシェアを誇るセールスフォース社のサービスですが、利用する企業によってはデメリットも発生します。

セールスフォースのサービスの機能は多岐にわたるため「使いこなせない可能性がある」点は注意したほうがいいでしょう。

セールスフォースのデメリット例

  • 多機能すぎて使いこなすにはスキルが必要
  • 事前のデータ蓄積が必要

さきほど、各サービスの価格もご紹介しましたが、セールスフォースの月額料金は、決して安くはありません。使いこなせない場合、費用対効果が出せず運用をあきらめてしまうケースも出てきます。

多機能すぎて使いこなすにはスキルが必要

セールスフォースのシステムには、顧客管理や営業管理さらにはマーケティング関連の情報管理など、さまざまな情報が集約されています。

そのため、情報を閲覧したり入力したりするだけでも、さまざまな機能を使いこなす必要があり複雑です。ITツール運用に慣れていない企業だと、使いこなせずに運用継続を断念してしまう可能性が出てきます。

ただし、運用で失敗するケースにおいては「経営者の覚悟が足らない」点に起因することがほとんどです。導入の目的を明確にし専任スタッフをアサインすることで責任を明確化できれば、運用はそう難しくないでしょう。

事前のデータ蓄積が必要

セールスフォースのサービスは、顧客情報と営業情報など大量のデータを持っていないと運用の意味がありません。月額費用もかかるため、既存のデータを保有していないと、どれだけ有能なシステムがあっても宝の持ち腐れになってしまうでしょう。

企業は顧客情報を持っていますし、営業担当別のプロセスを記録したデータも保存されているケースがほとんどでしょう。ただ、問題なのは「データの精度」です。

セールスフォースの導入が決まったのなら、導入開始までのロードマップを作り、責任者を明確にしスムーズにデータ移行するための「情報の整備」も必要になってきます。

Salesforceの利用がおすすめな企業

Salesforceのサービスは、すべての企業に有効であるとはいえません。企業の規模や事業内容によっては高価なシステムを導入しなくても、既存のシステムで十分なケースが多々あります。

Salesforceの利用をオススメする企業には、以下の特徴があります。

顧客データを多く保有している企業
Excelなど既存ツールでは管理に限界がある。Salesforceのシステムで一元管理が可能
多数の代理店や大勢の営業担当者を管理している大企業SFAに入力されたプロセスのデータで個人や代理店の状況が把握できる
既存のシステムに満足できず自社用にカスタマイズしたい企業コードを使用せずに自社にあったアプリ開発が可能
グローバル市場で扱う商材など、変化が目まぐるしい業界で戦う企業マーケティングオートメーションと連携できるため、営業結果をもとにしたプロモーション活動のアレンジなどが瞬時に可能

上記のような背景から、Salesforceは以下のような有名企業にも導入されています。

Salesforce導入企業の一例
・株式会社ミスミ
・花王株式会社
・株式会社セゾン情報システムズ

セールスフォースを導入する際の注意点

さきほどの「セールスフォースのデメリット」にもあるように、セールスフォースの導入には事前準備や経営幹部の覚悟がとても重要です。

最後に、導入から運用までをスムーズにおこなうための注意点についてお伝えしておきます。

複雑な操作方法を覚えなければならない

Salesforceのサービスを使いこなすには、複雑な操作方法を覚える必要があります。
「使い方がわからないから利用をやめた」「既存のシステムのほうが慣れているから使わない」といった事象が発生すると、Salesforceを導入した意味がまったくなくなります。

Salesforce導入を軌道にのせるには、以下のポイントをおさえておくことが大切です。

サポート体制を充実させる
システム操作のサポートはセールスフォース社に依頼することも可能です。ただ簡単な操作方法などは社内スタッフの直接サポートが効果的です。そのためSalesforceの導入当初は手厚いサポートメニューが受けられる契約をオススメします。社内にも専用推進チームを立ち上げ、導入初期につまづきやすいトラブルなども未然に防ぐことも大切です。

責任を明確化する
システム導入を軌道にのせることや営業効率を数値化し、導入の責任を明確にすることも重要です。専任部署の人事評価にも反映し「Salesforceの導入が収益向上に寄与した」段階で個人や組織を評価すると効果的です。

データ入力を忘れない

Salesforceの導入には事前のデータ蓄積も重要ですが、導入後のデータ更新とメンテナンスも大切です。

たとえば、営業のプロセス管理ひとつをとっても、営業担当者自身が営業結果を入力しなかったり、顧客の対応結果入力を放置したりすると導入した意味がなくなります。

システム導入初期は慣れていないこともあり、データの入力が煩雑になりがちです。
「データ入力と更新」を当たり前にするには、システム責任者がデイリーで厳しい管理をすると効果的です。「誰が入力していて誰がしていないのか?」多少社内から不満が出ても厳しく言い続けることが大切です。

運用が軌道にのるまで啓蒙し続けると、営業担当者自身も「真面目に入力したほうが自分のためにもなる」と、システム導入のメリットを感じてくれます。

また、操作に不慣れなスタッフを根気強くトレーニングする社内のサポート体制強化も大切です。

まとめ

Salesforceの導入には費用もかかりますし、社内の運用責任者も必要です。

ただ、CRM市場で20%近いシェアを持っているセールスフォースのサービスには、費用や手間をかけてでも導入すべき理由があります。

社会情勢やユーザーニーズが毎日のように変化する状況で成功するには、Salesforceの導入は効果的といえるでしょう。

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