インサイドセールスとは? – インサイドセールスのメリットや注目される理由を解説

  • 2022年6月27日

訪問型営業で成果が出ないときはぜひインサイドセールス部署の立ち上げを検討してみましょう。電話やWEBツールを使って成約に結びつけるインサイドセールスには、営業効率向上のほか人材の定着や費用削減などさまざまなメリットがあります。インサイドセールスの定義やメリットデメリットについて詳しく解説していきますのでぜひ参考にしてください。

インサイドセールスとは

インサイドセールスは電話やオンラインツールをつかって顧客と接触し、見込み顧客の育成やセールス活動をおこないます。従来の訪問営業では営業担当者がアポイント取得から成約まで一連の流れを担うケースがほとんどでした。ただ昨今の社会情勢の変化で訪問を望まない顧客が増えたことや販売商材が複雑化していることを背景に、オンラインツールを使って営業するインサイドセールスが注目されています。インサイドセールスにはPUSH型とPULL型の2種類がありそれぞれ担うべき役割が異なります。企業や商材によってはインサイドセールスで完結できないことも多く、フィールドセールスと連携しながら仕事を進める点も特徴のひとつです。

<インサイドセールスの種類と役割>

タイプ業務内容フィールドセールスとの連携
PULL型(反響型)・プロモーション立案

・問い合わせ対応

・リードナーチャリング(見込み顧客の育成)

・商品説明と契約

※問い合わせ対応だけではなく、購買意欲の高い顧客にアプローチし、その場で成約に結びつけるのがPULL型インサイドセールスの特徴

商材にもよるが、フィールドセールスへの連携はおこなわないケースが多い
PUSH型(新規開拓型)・新規アポイント取得

・電話やWEBツールを使った営業

・非対面での契約

※営業リストをもとに、電話でアプローチする。自社商品を認知していない顧客と接触することも多く、難易度は高い。

インサイドセールスで成約確度を高め、フィールドセールスへ連携するケースが多い。

フィールドセールスとインサイドセールスの違い

内勤で営業活動をおこなうインサイドセールスに対しフィールドセールスの業務は訪問営業がメインです。ただフィールドセールスは訪問営業だけが仕事かというとそうではありません。フィールドセールスとインサイドセールスの業務の違いについても表にしていますのでこちらも参考にしてください。

<フィールドセールスとインサイドセールスの違い>

定義業務内容
インサイドセールス・非対面営業・見込み顧客の創出

・非対面でのアポ取得+アプローチ

・リードナーチャリング

・非対面でのセールス(電話やWEBで完結)

フィールドセールス・対面営業・電話アポ、またはインサイドセールスからの連携にもとづく顧客アプローチ

・訪問説明とクロージング

・フォロー訪問

インサイドセールスとフィールドセールスそれぞれに適した業界や商材についても整理してみました。

  • インサイドセールスに最適な商材…BtoC商材(美容健康関連、金融、サブスクリプション商材など)
  • フィールドセールスに最適な商材…BtoB商材(不動産、システム構築、法人向け商材など)

テレアポとインサイドセールスの違い

インサイドセールスと間違われやすい職種のひとつに「テレアポ」があります。しかしそれぞれの業務においては目的や成果指標が異なります。下記の比較表を参考にしてください。

<テレアポとインサイドセールスの比較>

目的とアプローチ方法難易度KPI
テレアポ・新規アポイント取得

・顧客情報が乏しい状態で電話でアプローチする

断られるケースが多く、精神的なタフさが求められる・アポ率やアポ件数

・時間効率

インサイドセールス・見込み顧客の育成

・ウォームコール※問い合わせ顧客など一定の情報がある顧客にアプローチする

精神的な負担は少ないが、商品知識は高いレベルが求められる・アポ率やアポ件数

・商談率

・成約率

・顧客継続率(リテンションレート)

・ARPU(顧客あたりの売上単価)

上記のようにインサイドセールスは見込み顧客にアプローチし、ヒアリングをもとに顧客の課題抽出から改善提案、そして成約までをおこなうことが仕事です。テレアポと比較すると断られることは少ないですが、高度な顧客対応レベルが求められ目標達成できたときのやりがいも人一倍大きい点が特徴といえます。

インサイドセールスが注目される理由

ひと昔前の営業は「営業は足で稼げ」と言われ続け訪問営業のスタイルが正論であるかのような指導を受けてきました。しかし最近は社会情勢の変化もあり販売商材も多様化しています。訪問を避けオンラインで対応したほうが成約できるケースも多いでしょう。インサイドセールスが注目される背景としては以下の理由があげられます。

  • サブスクリプションサービスの台頭
  • 深刻な人手不足
  • コストカットが求められるため

サブスクリプションサービスの台頭

インサイドセールスが注目される理由としてもっとも大きなものに「サブスクリプションサービスの台東」があげられます。サブスクリプションサービスとは毎月定額の利用料でサービスを提供するビジネススキームのことです。代表的なサブスクリプションサービスとしては以下のような商材があります。

  • Netflixのような動画配信サービス
  • 健康食品や化粧品などの定期配送サービス(Amazonの定期おトク便など)
  • 企業向けクラウドサービス(月額制の会計ソフトクラウドサービスなど)

企業向けのサブスクリプションサービスの場合は無料の試用期間があり、有料に移行するかどうかはインサイドセールスの力量に左右されます。無料で利用している期間中に顧客にアプローチし電話やチャットを使って課題解決を続ければ有料に移行してくれる顧客も増えるでしょう。

深刻な人手不足

インサイドセールスは、人材不足問題の解決にも役立つ手法です。一般的な企業の営業職には「ノルマがある、仕事がキツイ」といったネガティブなイメージを持つ人が多く従業員の定着率も低いのが現状です。

<厚生労働省調査資料より<営業職・販売職派遣の定着率の低さ> 

定着率(派遣スタッフのうち通算 2 年以上働いている人の割合)を 20%未満とする派遣会社の割合は、営業職については 44.4%、販売職については 48.5%となったが、この値は別の調査で把握された事務系派遣の値 24.0%に比べて大きく、定着率も事務系派遣に比べ、営業職・販売職派遣のほうが低い傾向が見られる。

引用元:厚生労働省公式サイト

営業の現場では常に人材不足が深刻化しており訪問営業型スタイルで営業成果を出し続けることは年々難しくなっています。インサイドセールスは訪問型営業より難易度は低くテレワークでも対応できるため、求人の応募も集まりやすいといったメリットがあります。

企業はコストカットが求められる

インサイドセールスは企業のコストカット戦略にも効果がある営業手法です。さきほどご紹介した企業向けサブスクリプションサービスのなかには1顧客あたり毎月10,000円~50,000円程度の商材もあります。利益率、10~20%と低いケースも多いでしょう。一方、従業員一人あたりの人件費は、少なく見積もっても1名あたり40万円~50万円程度は必要です。インサイドセールスで顧客の育成から成約まで完結できるなら、訪問営業スタッフを置く場合と比較して以下のコストが削減できます。

<インサイドセールス立ち上げにより削減できるコストの例>

  • 人件費…複数の顧客をひとりの担当が対応できるため、人員削減が可能
  • 交通費…移動を必要としないため、車両費や駐車料、電車の交通費などを削減できる
  • 家賃…テレワークスタイルでも対応できるため、出社人数を制限することで事務所の家賃も削減可能

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスのメリットは人手不足解消やコスト削減だけではありません。企業だけではなく担当者のスキルアップや今後のキャリア形成にも多くのメリットがあります。

少人数で対応が可能

インサイドセールスは非対面で営業をおこなうため移動時間を使うことなく数多くの顧客にアプローチすることが可能です。訪問営業の場合なら1日3件しか営業できなかったものがインサイドセールスを使えば1日5~8件程度の営業もできるようになります。したがってインサイドセールスの仕組みが確立できた企業では少人数での運営ができるようになります。また、従来型の営業では「土日は営業全員が休み」など1週間のなかで顧客対応できない日があるのはあたり前でした。その点インサイドセールスは在宅や時差出勤などを活用して出勤シフトが組めるため「年中無休の顧客対応」も可能になります。スタッフ同士の連携もCRMなどの顧客管理ツールを使えば容易ですので固定の専任担当者を配置しなくてもミスなく顧客対応できる点が特徴ともいえます。

商談化率や成約率の向上

一人の営業担当者がアポからクロージングまでを担当するとなるとスタッフの営業スキルにより商談化率や成約率が左右されてしまいます。その点インサイドセールスを上手に活用すれば訪問営業のみで対応する場合と比較し、成約率は飛躍的に向上するでしょう。インサイドセールスでは見込み顧客の醸成や課題解決、そして商材の提案を非対面でおこないます。購入までのプロセスを顧客任せにする手法とは異なり、インサイドセールスでは顧客の疑問や問題点を解決しながら成約に結びつけていきます。したがってインサイドセールスを配置しない場合と比較し高い成約率が望めるのです。

フィールドセールスと連携する場合は、確度の高い顧客だけを連携することになりますのでフィールドセールス担当者の成約率もおのずと向上します。インサイドセールスではトークスキルやオンラインツールを使った説明スキルも向上するため、社内でのキャリアアップにもつながります。条件の良い他社コールセンターに転職する場合も強い武器になるでしょう。

データを活用し、営業活動や売上予測を立てられる

フィールドセールスの場合は担当者のスキル不足により低迷することも多く売上予測もたてにくいのが課題です。訪問に至るまでのアポ率やプレゼン率、成約率などのプロセス管理も担当者任せになってしまい、細かく管理できないのが現実でしょう。その点インサイドセールスなら上司の目の届く場所で管理ができますし、SFAなどの営業ツールを使えばプロセス管理も容易です。管理データを上手に活用できれば適正な人員配置や売上予測もたてやすくなるでしょう。たとえば月額単価10,000円の会計ソフトを販売する会社でどのような試算ができるのか考えてみます。

<月額10,000円の会計ソフトを販売するインサイドセールスの場合>

  • セールスリード予測数と1件あたりの対応時間を算出し、必要な人員数をアサインする
  • 成約率をもとに月間の成約件数と利益額を試算する
  • 売上&利益が予算に達していない場合は、プロモーション活動を見直し、リード数の向上をはかる
  • PDCAをまわしながら目標達成に向けて管理する

インサイドセールスで有効な各種KPIについてはのちほど詳しく解説します。

インサイドセールスのデメリット

インサイドセールスの導入はメリットばかりではありません。これまで訪問営業中心の営業スタイルを継続してきた企業の場合はインサイドセールスへの移行にともない、さまざまな課題を克服する必要が出てきます。社内にコールセンターの部署がないケースでは「体制づくり・オペレーションフローの確立・スタッフの育成」が課題となります。

体制づくりが大変

インサイドセールスは一見すると簡単そうに見えますが、軌道にのせるまでには以下のステップを踏む必要があります。

<インサイドセールスの体制づくりに必要なステップ>

STEP①計画売上利益の目標達成のため、必要なプロモーション費用やインサイドセールスに必要な人件費を試算し計画
STEP②管理者の配置プロモーションやマーケティング知識、非対面での営業スキルや人員管理ができるマネジメント層を配置する
STEP③システム導入SFAやCRMなどの営業/顧客管理ツールを導入
STEP④マーケティング部門との連携リード数向上のために他部署との連携を重ねる
STEP⑤スタッフ育成成約率向上のための人材育成(トークスキルの改善など)

上記のステップを確実にこなすには正直なところ未経験者だけでは厳しいかもしれません。自社にインサイドセールスの経験者がいない場合は、一部をコンサルティングに依頼するか思い切ってインサイドセールス部門をアウトソーシングしてもいいでしょう。

顧客との信頼関係構築が難しい

商品やサービスにもよりますが、担当顧客によっては「訪問して丁寧に説明してほしい」と言われるケースもあるでしょう。インサイドセールスは非対面でおこないますので顧客とのコミュニケーションが希薄になってしまうことがデメリットです。複雑な操作が必要なツールなどを購入してもらう場合は訪問でサポートするほうが顧客の信頼も得られるでしょう。企業によってはインサイドセールスで手に負えない場合、フィールドスタッフに連携することも視野に入れて検討してみましょう。インサイドセールスのような非対面営業でも以下の点に注力すれば信頼関係の構築も可能です。

<インサイドセールスにおける顧客との信頼関係構築の方法>

  • AIツールなどを活用し、WEBサイトの動線からユーザーのお困りごとを推察する
  • お困りごとがわかったらチャットなどのWEBツールを使い、タイミングよくサポートする
  • サービス継続を前提に、早めに顧客にアプローチし、課題や問題点の改善に務める
  • 読めばわかるツールやFAQの充実、説明動画を用意し、サポート体制を充実させる

インサイドセールスの導入方法

さきほどインサイドセールスに移行するためのステップを簡単にご紹介しましたが、ここからはより具体的にインサイドセールスの導入方法について解説します。

<インサイドセールスの導入まで>

  1. 営業プロセスの設計と担当範囲の設定
  2. 適正な人材をアサイン
  3. KPIの設定
  4. ツール導入

営業プロセスの設計と担当範囲の設定

インサイドセールスを軌道にのせるには業務範囲を明確にしておく必要があります。企業によってはインサイドセールスで成約まで完結させる場合もありますし、途中でフィールドセールスに連携するケースもあるでしょう。それぞれの役割分担を明確にしておかないと部署間の「たらい回し」が発生し、業務が滞留する原因にもなります。以下にインサイドセールスの立ち上げに際し、整理すべき業務内容をまとめていますので参考にしてください。

<インサイドセールス成功のために連携すべき部署と業務内容の設定>

関連部署(インサイドセールス部門を含む)整理すべき内容
マーケティング部署/プロモーション部署・リード獲得目標はどの部署が責任を負うか?
フィールドセールス部署・訪問すべき顧客と非対面で対応すべき顧客の基準

・成約率が低迷したときの責任の所在

またインサイドセールスは業態や商材により以下のようなタイプに分かれます。

<インサイドセールスの4タイプ>

  1. リード発掘タイプ…見込み顧客の創出に注力(マーケティング部門の意味合いが強い)
  2. リード育成タイプ…顧客フォローに特化し成約確度を高めていく
  3. 営業クローズ特化タイプ…インサイドセールス部門で成約までを完結
  4. フィールドセールス連携タイプ…フィールドセールスへのパス出しを前提

それぞれのタイプに応じ関連部署と上手に連携しながらすすめることが成功の秘訣です。

適正な人材をアサイン

部署間の調整が終わったらつぎにインサイドセールスの導入に必要な人材を配置しなければいけません。企業によってはフィールドセールスの担当者を内勤スタッフに変更することで人件費予算の超過を回避するケースもあります。ちなみにインサイドセールスで活躍できる人には共通する以下の特徴があります。

  • コミュニケーション能力が高い…マーケティング部門など他部署との密な連携が必要なため、コミュニケーション能力が低いと業務遂行は難しいでしょう。
  • 分析スキルが高い…インサイドセールスでは、営業プロセスごとの課題を分析し改善していく必要があります。目の前の事象にとらわれることなく、成約までのプロセスでどこに問題があるのか俯瞰的に見るスキルも必要です。
  • ITリテラシーが高い…SFAやCRM、MAツールといった管理システムを操作する必要があります。PC操作やツール操作が不慣れな人はインサイドセールスには不向きでしょう。

KPIの設定

インサイドセールス部門を立ち上げ、成功に導くためにはKPI(Key Performance Indicator)の設定は欠かせません。インサイドセールスの担当者がどこまでの業務を担うかにもよりますが下記のようなKPIはかならず設定しておきましょう。

  • 見込み顧客の対応件数…1日の架電件数、チャット対応件数
  • 1件あたりの対応時間…電話対応に要する時間、チャットでの解決に至るまでの時間
  • メール送信件数や開封率…見込み顧客へのメールでのアプローチ状況
  • 成約率/成約件数…成約に至った数と、アプローチ件数に対する成約数(率)
  • アポ率やアポ件数…フィールドセールスへのパス出し件数や対象顧客に対するアポ率など
  • 受注額…高ARPUの商材をどれだけ販売できたかなど
  • 継続率…利用を継続している顧客数や継続率

これまで自社でインサイドセールス部門がなかった場合は適切なKPI設定が難しいかもしれません。目指すべき指標がない場合にはまずは売上利益目標から逆算し、あるべき姿を数値化していく方法が一般的です。

ツール導入

インサイドセールスにおいてはオンライン上で顧客の状況をリアルタイムに把握し、的確な提案をしていくことが重要です。そのためにはSFAやCRMといった管理ツールの導入が必要になります。さきほど触れた「インサイドセールス成功に必要なKPI」達成のためにも、ツールの導入は不可欠です。代表的な管理ツールと機能をご紹介しますので、検討の参考にしてください。

<インサイドセールスに必要なツールとおもな機能>

ツール具体名やおもな機能
在宅用電話システム、モニタリングシステム・在宅でも対応できる通話システム(例:Amazon Connectなど)

・管理者が対応品質を監視するためのモニターツール

オンライン営業ツール・ZOOM、Teams

・開発型独自ツール(商品提案から契約まで完結できるタイプ)

・オンライン営業ブース(遮音型)など

SFA・営業のプロセス管理ができる(対応件数や成約率などの管理)

・タブレットやスマートフォンからもアクセス可能な場合が多い(フィールドセールスの外出時にも対応可)

CRM・顧客ごとの経緯や対応注意点などが連携できる

・サブスクリプションサービスであれば、次回の新サービス提案時期などがわかる

MA・見込み顧客管理

・リードナーチャリングの自動化など

・マーケティング施策の効果検証

インサイドセールスの実施、効果測定

準備がととのったらいよいよインサイドセールスの実行に移ります。インサイドセールスの成功に近道はなく地道な努力の積み重ねが重要になってきます。たとえば見込み顧客のリード数が少ないからといってマーケティングやプロモーションを改善してもすぐに結果は出ないかもしれません。スタッフのスキル向上も同じです。「トークがわかりづらい、クロージング力が弱い」といっても一朝一夕では改善できないでしょう。特にインサイドセールスの成功には「トークスキル」の改善が重要なポイントになります。管理者がモニタリングしたり録音データを聞くなどして改善点をきめ細かく指導していくことが必要です。

最近では、AIを活用した「トークスキル改善ツール」を導入する企業も増えています。成果を出している担当者がよく使うキーワードを調査したり声のトーンや抑揚を真似することで改善できる場合もあります。さきほど触れた各種KPIをチェックし、費用対効果をみながら改善していくようにしましょう。

インサイドセールスを成功させるポイント

インサイドセールスの成功には「メンバーのメンタルケア」がとても重要です。インサイドセールスの担当者は非対面で孤独に顧客と向き合うケースも多く、悩みや課題をひとりで抱えがちです。またPUSH型の訪問営業とは違いPULL型のインサイドセールスでは顧客を選べないケースもあります。ときには顧客からのクレームに苦慮することも多いでしょう。最後に部下のマネジメントを中心に「インサイドセールスを成功に導くためのポイント」についても詳しく解説します。

ツールの活用と情報共有

インサイドセールス部門を任された責任者は、おもに以下の3つに注力してマネジメントすることをオススメします。

  • 管理ツールの指標を常にチェックする
  • 各種ツールの指標を使い、スタッフごとの課題を洗い出す
  • 他部署やメンバー間でも課題を共有し、改善できるようサポートする

インサイドセールスの管理者は各種KPIの管理ツールに出てくる指標を常にチェックしておきましょう。ほかのメンバーと比較し1日の対応件数が極端に少ない場合は、顧客の課題抽出力が弱く終始ダラダラとした説明になっているのかもしれません。クロージング率が弱い場合は商品知識が乏しかったり、ヒアリング力不足が原因となっている可能性もあります。営業プロセスの課題が発見できたら成功しているメンバーを相手にロールプレイングを繰り返しおこなうと効果的です。

インサイドセールスではメンバーは孤独になりがちです。定期的な1on1面談を継続したり、身近に相談できるサブリーダー的なスタッフをアサインしておくのもいいでしょう。

KPIの設定とその振り返り

インサイドセールスで結果を出すにはPDCAを繰り返しまわすことが必要です。

Plan効果的なプロモーション施策を立案します。成約に結びつけるまでの接触頻度やタイミングについても、KPIを設定します。
Doレスポンス顧客に対し、営業やサポートをしていきます。想定課題を顧客に提示し、成約の妨げになる事象を事前に排除していくのもインサイドセールスの仕事です。
checkKPIが指標通りに進捗しているか確認します。KPIだけではなく、モチベーションの状態など、定性面もきめ細やかにフォローしていくことが大切です。
Action指標通りに進んでいないなら、プロセスごとの問題点を改善していきます。立ち上げ当初は、KPIが実態と乖離してしまう場合もあります。ときにはKPIを見直すことも必要です。

なおPDCAは管理者だけではなく階層別で与えられた業務目標に応じ、メンバー自身もチェックを繰り返していくことが成功の秘訣です。

まとめ

インサイドセールスにはメリットデメリットがあるものの最近の消費者動向や社会情勢に合った営業手法といえます。見込み顧客の育成と成約だけではなく、フォローをしながらつぎの売上につなげていくカスタマーサクセスの役割も担う重要な業務ともいるでしょう。インサイドセールスを最初から立ち上げるとなるとはじめは苦労するかもしれません。しかし軌道に乗れば自社の売上利益の向上に寄与できる営業手法ですしスタッフのスキル向上にも役立つこと間違いなしです。

 

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