HubSpotというCRMの注目が上がっています。無料で使用できる機能も多く、業務効率化に繋がると言われているからです。
それでは、HubSpotというツールはどのようなものなのでしょうか。この記事では、機能や導入したときのメリットとデメリットを詳しく解説します。
HubSpotとは
HubSpotとはインバウンドマーケディングのソフトウェアです。リードを作り出し、見込客へと育て、最終的に顧客へと育てることを目的に開発されました。現在は、世界120ヶ国以上で使われていて、日本の導入も進んでいます。
HubSpotは、無料の顧客管理ソフトを軸に、マーケティングとセールスとカスタマーサービスを支援する製品で成り立っています。見込客から顧客まで一気通貫で管理できるため、情報を探すのに大きな時間がかかりません。少ない時間で情報を探すことができ、アプリや管理媒体の切替不要なのが特徴です。
HubSpotの製品
HubSpotは、無料のCRMを中心に、5つの製品で成り立っています。これらの製品はそれぞれ、特徴的な機能がついているのです。以下では、各ソフトウェアにどんな特徴があるのかについて解説します。
HubSpot CRM
HubSpot CRMは、無料で使用できる営業支援ツールです。顧客のホームページやフォーム送信の履歴管理や取引情報、商談のステータスの蓄積と管理ができます。
また、売上目標の進捗について、チームと個人成績どちらも直感的に管理することも可能です。使用するのに部署の規模に左右されることはありません。1名でも1000名でも利用可能で、ユーザー数もストレージ容量も無制限です。
CRMを使用する際に、使用感が分からないと導入に二の足を踏むことも少なくありません。
しかし、HubSpotは、基幹のCRMが無料で使えるため、自社に合っているかどうか判断して進めることができます。また、機能が不足していると感じた際には、有料になりますが追加も可能です。
実績が多く、無料で使用開始できるため、HubSpotは管理ツールの導入に迷っている企業に最適なツールと言えます。
Marketing Hub
Marketing Hubは、Webマーケティングに必要な効果測定機能がオールインで使用できるツールです。ブログ作成、SEO対策、SNS管理、ランディングページ作成、お問合せフォーム作成などができます。
Webマーケティングを行う場合、プラットフォームごとに異なったツールを使うことは少なくありません。
ツールが多くなると、管理が多くなり、効果測定に時間がかかります。また、抜け漏れも多くなります。
Web業界は、スピード重視の業界です。移り変わりが早く、以前は効果のあった施作が通用しなくなることもよくあります。また、競合がひしめいているので正確なデータ分析が必要です。
そのため、業務を短縮化し、PDCAサイクルを正確に早く回さなければ結果がついてきません。
Marketing Hubは、オールインワンでツールが入っているため、スピード感を持って業務に取り組むことが可能です。また、直感的に使いやすいため経験のない人でも簡単に使用できます。
Sales Hub
Sales Hubは、営業支援のツールです。営業活動に使えるファイルの共有やセールスで効果のあったEメールをテンプレート化して使用することができます。
営業活動は、属人化することが少なくありません。ノウハウが共有されず、担当者の力量に左右されがちです。Sales Hubでは、メール営業はもとより電話営業の記録も残せます。成功事例を共有化することで、部署全体の業績アップが見込めます。
また、営業プロセスの分析とレポート作成も可能です。Sales Hubは、個人はもとより部署のチーム全体の底上げをアシストしてくれるツールです。
Service Hub
Sales Hubは、顧客満足度を上げるためのツールです。問い合わせやチャットでの対応から、よくある質問への回答などを作成することができます。
顧客からの問い合わせを受ける時、誰が対応するか戸惑うことは少なくありません。Service Hubは、権限のある人がチーム全体の状況を確認できるため、対応する人をすぐに見つけられます。
さらに、チケットを使用することで、重要案件を優先順位の上位にすることが可能です。難しい案件や顧客を優先することで、顧客満足度を上げることができます。
オンラインやチャット、電話での問い合わせを一元で管理できるSales Hubは、平準的で満足度の高い顧客対応を支援するツールです。
Operations Hub
Operations Hubは、部署ごとに乱立しがちなデータを一つのアプリにまとめてくれるツールです。アプリの連携、顧客データの整理、データ集合の再定義、ビジネスプロセスの自動化などができます。
会社には、部署やチームごとの文化があります。そのため、使用しているツールやデータがバラバラということも少なくありません。
ツールが異なるために、他の部署が持っているデータを自部署で再びインプットするという業務も発生しがちです。
Operations Hubは、部署ごとに使用しているデータを一つのアプリにまとめて、情報を共有化することができます。顧客満足度を高めるために、リードの割り当てや契約の更新を行うこともでき、さらにSlackやZoomとの連携も可能です。
Operations Hubは、組織の情報共有を助けてくれるツールと言えます。
HubSpotを導入するメリット
Hub Spotは無料で様々な機能を使用できます。ここでは、HubSpotを導入することで得られるメリットを解説していきます。
業務効率化が図れる
HubSpotを導入すると、顧客情報の一元的な管理が可能です。情報を探すときにバラバラに探す手間がなくなるため、業務改善に繋がります。
Webの問い合わせや名刺情報、展示会に参加した顧客情報など、バラバラに管理していることは少なくありません。
アプローチの進捗状況が分からなかったり、最新情報と古い情報が混在することもあったりして、どれが正しい情報か分からないこともあります。
当時の担当者同士で情報のすり合わせをするなど無駄な時間も発生しがちです。時間をかけて打ち合わせをしても正しい情報が分からないかもしれません。
HubSpotでは、全ての情報を誰もが見れるように保管できます。また、営業プロセスも可視化されます。情報を探す手間、顧客へのアプローチを一目で理解することが可能です。
無料で使える機能
HubSpotのメリットの一つが、無料で使用できるツールの多さです。コンタクト・取引・タスクの管理、メールのテンプレート作成、ドキュメント共有、見積書作成などが無料で使用できます。
無料で使用できるCRMには、大幅に機能が制限されていたり、操作性がよくないツールも少なくありません。
その点、HubSpotは上記の基本的な機能に加えて、直感的な操作が可能です。専門的なスキルは必要ありません。電子ツールが苦手な人でも、簡単に使いこなすことができます。
無料で使用でき、直感的にも使えるHubSpotは、営業ツールに大きなお金をかけられない企業におすすめです。
インバウンドマーケティングでの効果が高い
HubSpotは、顧客に満足してもらいリピートしてもらうことを目指して設計されているため、インバウンドマーケティングの効果が高いです。
インバウンドマーケティングには、3つの段階があります。
まず、惹きつける段階です。HubSpotでは、Webを使用して客を惹きつけます。ブログ、SNS、SEOなどを利用し、得られた効果を見えるようにして、改善を進めることで客を惹きつけることができます。
次に、リードの獲得です。自社から顧客に対して適切な価値提供をすることで実現できます。HubSpotでは、成約しやすいメールのフォーマット化ができ、電話の記録から改善に繋げることも可能です。顧客へのアプローチが属人化しません。平準化されるため、部署全体で成果を出しやすくなります。
最後に、カスタマーサポートです。購入した後もリピートしてもらい続けるために、顧客満足度を上げる必要があります。HubSpotのチャットボットやアンケートを活用することで、常に顧客からのフィードバックの獲得が可能です。
HubSpotでは、インバウンドマーケティングの3つの段階それぞれに適したツールがあります。そのため、高いインバウンドマーケティングの効果を得られます。
HubSpotを導入するデメリット・注意点
無料で様々な機能を使用できるHubSpotですが、導入のデメリットはどんなものがあるのでしょうか。3つのデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
無料プランで利用できる機能に限界がある
HubSpotの無料プランは多くの機能を持っていますが、それでも機能には限界があります。緻密なデータ分析などは行えません。例えば、ABテストやトラフィック分析などはProfessional以上のプランに申し込む必要があります。また、電話でのサポートもProfessional以上のプランに申し込まなければなりません。
最大限にHubSpotの機能を利用するには、自社の課題分析を行った上で有料プランの検討も必要になるでしょう。
運用定着までに時間がかかる
HubSpotは、客を起点に営業活動を行うインバウンド手法を用いているため、運用定着までに時間がかかります。というのも、多くの企業は製品を起点に営業活動を行っているからです。インバウンド手法に馴染みがないため、その手法を知って慣れるところから始めなければなりません。
また、マーケティング・営業支援・カスタマーサポートなど機能が多岐に渡るため、使いこなせるようになるまでに時間がかかります。
HubSpotの有料プランでは電話などのサポートがあります。導入初期は、社内の誰もノウハウを持っていません。そのため、サポートを十分に受けられるプランが必要になる可能性があります。
ただ、HubSpotは直感的かつ総括的にデータの操作と管理ができるため、操作を覚えると業務改善が加速します。社内でチームを作って、ノウハウを共有することで運用定着までの時間を短縮することをおすすめします。
すべての機能を使うと結果的にコストが高くなる
HubSpotは、無料版でも機能が多く、有料版になると更に機能が増えます。内容を理解せずにすべての機能に申し込むと、多くのコストが発生します。業務改善するために導入するツールで経費を圧迫するのはよくありません。まずは、自社にどのようなツールが必要か検討し、どうしても欲しい機能を追加で導入していくのが重要です。
HubSpotの導入をおすすめしたい企業の特徴
HubSpotの導入を迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、HubSpotをおすすめしたい企業について紹介します。
コストを抑えたい
コストを抑えてCRMツールを導入したい企業には、HubSpotはおすすめできます。というのも、無料版で必要最低限なツールを使えるからです。HubSpotを試してみて、もし効果が見込めそうだったり、機能の幅を増やしたかったりするときには、有料プランもあります。
コストを抑えながらCRMツールで業務改善したい企業は、HubSpotを試しに使ってみることをおすすめします。
CRM・SFA・MAツールをこれから導入したい
CRM・SFA・MAツールをこれから導入したい企業は、HubSpotを導入しましょう。というのも、HubSpotにはCRM・SFA・MAのツールが揃っていて、それぞれの連携が可能だからです。
部署ごとにツールを分けることで、情報の共有化が上手くいかないケースは少なくありません。
情報を探すのに時間がかかったり、別の部署の人が見ると理解できなかったりするので、結果的に工数が増大します。
HubSpotは、顧客を中心に設計されたツールです。CRFもSFAもMAも同じ設計思想を持っているため、連携した時に業務をスムーズに行えます。
まとめてCRM・SFA・MAツールの導入を検討している企業は、HubSpotがおすすめです。
マーケティング情報を一元管理したい企業
マーケティング情報を一元管理したい企業にも、HubSpotがおすすめです。というのも、HUbSpotは客を中心に設計されたツールのため、顧客情報の共有と様々な視点からの分析に力を入れているからです。
HubSpotでは、Webページがどのような属性の人に見られたか詳細なデータを取ることが可能です。また、そのデータを元に改善した場合の数値も可視化されるため、PDCAをしっかり回していくことができます。
マーケティング情報の蓄積が必要な企業にはHubSpotと相性がいいと言えます
まとめ
HubSpotとは、顧客データを効率よく管理でき、業務効率化に繋げられるCRMツールです。無料版は多機能なため、コストを抑えたい企業やこれからツールを使い始める企業にマッチします。HubSpotを導入することで、効率的なインバウンドマーケティングをもとに売上拡大に繋がります。