昨今の社会情勢の変化を受け、さまざまな業界で人材不足が続いている。とりわけフード業界においては、客足が戻りつつある現在でも深刻な人材不足が続き、人材難からくる時給の高騰は経営を圧迫している。
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘氏)は、自社調査研究機関「ジョブズリサーチセンター(JBRC)」が実施した「フード業界の賃金状況と雇用の実態・今後の展望」に関する報告をまとめた。
フード業界の雇用動向
社会情勢の急激な変化により、フード業界ではシフトに入れなくなった労働者が増え、他業界で仕事をはじめる人が相次いでいる。そのため、フード業界の経験値が高い即戦力の採用が難しくなり、平均時給の高騰にもつながっている。また、これまでの行動制限を受けて採用側も募集人数を絞る傾向があったため、雇用の中心であった大学生や主婦を呼び戻すことも難しくなっているのが現状。
フード業界の時給高騰
フード業界の平均時給については、初の緊急事態宣言が発令された2020年5月度に減少して以降、2021年後半には上昇に転じ、2022年4月~7月は過去最高になる高騰ぶりを見せている。事実、フード系業界の募集時平均時給は2020年5月に1,001円まで減少したあと、その後2021年10月には 1,033 円に上昇、2022年7月には1,063円にまで高騰している。
画像引用元:株式会社リクルート/ニュースリリース
【人材の重要性と今後の見込み】
フード業界はアルバイトやパートなど、非正規労働者に支えられる部分も大きく、人材難は経営に直接響く可能性が高い。業界全体の雇用安定化を図るためには、従業員の働き方改革やミスマッチ改善のための取組みなど、業務改善が必須課題になるだろう。今後、外国人観光客の増加を踏まえ、レジャー施設や外食産業の人材需要は益々高まることが予想される。他業種との人材獲得競争が激化するなかではあるが、地域別最低賃金の改定で時給が増えることや年末年始の繁忙期を控え、人材採用に関しては好機が続くと見られる。
アンケート調査の概要
- 調査方法…求人メディア「TOWNWORK」「fromA navi」に掲載された求人情報より募集時平均時給を集計
- 調査対象…2022年7月度
- 有効回答数…85万9,087件
- 調査実施期間…2019年7月度~2022年7月度 毎月1日~末日掲載分
- 調査機関…JBRC(ジョブズリサーチセンター)
詳細は下記PDFを参照
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20220909_hr_01.pdf
【関連会社概要】
企業名 | 株式会社リクルート |
代表者 | 代表取締役社長 北村 吉弘氏 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー |
公式サイト | https://www.recruit.co.jp/ |
企業名 | ジョブズリサーチセンター |
代表者 | センター長 宇佐川 邦子氏 |
所在地 | 東京都中央区銀座 7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル(リクルートGINZA7ビル) |
活動内容 | ・有期労働市場の動向 ・企業の採用活動・人材マネジメント施策 ・働く個人の就業意識と行動等に関する調査・研究・発信 |
公式サイト | https://jbrc.recruit.co.jp/jbrc/about.html |
参考URL:コロナ禍におけるフード業界の雇用実態と今後の展望 2019年7月度~2022年7月度アルバイト・パート募集時平均時給調査より