FAXDMは自社商品やサービスの魅力を存分に伝えることが大切ですが、内容と同じくらいに重要になってくるのがデザインです。今回はFAXDMの一般的なデザインの種類や、デザイン別に向いている業界などをご紹介します。またFAXDMに記載する内容についても合わせて解説します。
FAXDMのデザインの基本
FAXDMは自社商品やサービスの魅力を伝える、デザインにこだわる、この2つを大切にすることで効果を発揮します。FAXDMデザインを工夫することは、相手が読もうという気持ちになる、相手が読みやすくなるなど多くのメリットを生みます。反応率を上昇させるためにもFAXDMデザインにこだわることは重要なポイントです。FAXDMで使う色は白と黒の2色を基本とします。グレーなどの中間色も使えますが、相手に送信した際にかすれて読みにくくなる場合もあるので注意が必要です。白と黒でコントラストをつけてはっきりした色で表現することを心がけましょう。線を使うときはなるべく太くします。点線はきれいに出力されないため避けるのがおすすめです。
FAXDMの紙やインクは受信側が負担します。黒の範囲が多いと受信者のインクを大量に消費させてしまい、クレームにつながる可能性もあります。また写真は最低限に留めておくことがポイントです。写真を掲載するとデータ容量が重くなり過ぎてしまい、FAX機がデータを上手く受信できずにエラーになってしまうことがあります。出力できたとしても出力するまでにかなりの時間がかかってしまい、受信者はFAXの受信を終えるまでFAX機が使えなくなるので迷惑となります。仕事に必要なFAXを送信できなくなるなど、トラブルの原因になりかねないので注意が必要です。説明が必要な場合は写真をなるべく使わず、図やイラストは白黒のみで作成します。また図やイラストのサイズを大きくしないなどの心がけも必要です。説明の文字は小さすぎるとつぶれて見えなくなるので最低でもフォントサイズは10pt以上に設定しましょう。
FAXDMの一般的な2つのタイプ
FAXDMデザインは先にご紹介したようなFAXDMデザインの基本を踏まえたうえで受け取り側の関心を引くようなインパクトのある表現をしなければなりません。カラーは使用できず白と黒のみに制限されること、写真があまり使えないこと、分かりやすい文字の大きさにすることなどさまざまな制約があるので顧客の心を掴むようなDMを作るのは難しいと感じる方も多いでしょう。
しかしFAXDMデザインは一般的に「チラシ型デザイン」と「レター型デザイン」の2つのパターンがあり、一定の効果があると言われています。こちらではそれぞれのデザインの特徴をはじめどのような業界がどちらのデザインに向いているのかなどを細かく解説します。
チラシ型デザイン
チラシ型デザインはポストに投函されるチラシのように広告色が強く目立ちやすいタイプのFAXDMデザインです。商材の魅力やメリットを明確に伝えられる点がメリットと言えますが広告色が強く出過ぎると、広告を毛嫌いする層に響きにくいといったデメリットもあります。広告色を抑えながらもインパクトのあるFAXDMデザインを心がけることが大切です。チラシ型デザインは目に留まりやすく読んでもらいやすいのですが、デザインのクオリティが低い場合は「信用して大丈夫だろうか」「怪しい広告」などのイメージを抱かせ、信頼性が薄れることで不安を感じさせてしまう場合もあります。デザイン性が高いといってもアートのようなデザイン性ではありません。見栄えが良く、相手が読みやすいのがデザイン性の高さになります。
怪しさを感じさせず信頼性のあるシンプルで高品質なデザインを心がけましょう。チラシデザインのサイト集などを参考にたくさんのデザインを見ることで高品質なデザインが分かるようになってきます。見た目のインパクトだけではなく、しっかりと中身であるテキストを量・質ともに盛り込むことも重要です。まずはインパクトを与え説得力のある内容を心がけましょう。
またチラシ型デザインはインパクトを重視するあまり黒の部分が多くなってしまいがちです。黒背景のバーや吹き出しの中に白文字で表現する、いわゆる白抜きのレイアウトは相手のインクを大量に消費させます。FAXDMのデザインの基本でも触れたように多くのインクを消費することは相手に良いイメージを与えません。文字はフォントや太さを変えるだけで十分なインパクトを与えることが可能です。相手の負担にならないデザインにすることを第一に考えレイアウトを構成していきましょう。
チラシ型デザインが向いている業界
チラシ型のデザインは飲食業界や販売業の集客に向いています。「新装OPEN」や「バーゲン」などの周知は言葉自体が目を引き、広告であっても「知りたい」といった関心が向きやすくなるのでおすすめです。また既に自社ブランドや商材自体の認知度が高い商材にも向いています。評判のブランドや商材は関心が高くチラシであっても見てみようという興味がわきます。相手にとってのメリットが分かりやすい商材も興味を持ってもらいやすいでしょう。
さらに文字数が少なくてもシンプルな言葉で強みやメリットを表現できる商材はチラシ型デザイン向きです。長々と説明する必要もないのでシンプルなデザインが映えます。割安な価格の商材や「30%OFF」などの割引率を掲載できるような商材も目を引くでしょう。価格の安さはわざわざ言葉で説明する必要もないので、チラシ型デザインがおすすめです。
レター型デザイン
広告色の強いチラシ型デザインと対照的なのがレター型デザインです。「レター=手紙」のように文章中心のデザインとなります。チラシ型デザインのようなインパクトはありませんが、ビジネスの雰囲気があり信頼性を持たれやすいのが特徴です。ただし離脱せずに最後まで読んでもらう、あるいは問い合わせしたいと思わせるためには一定の文章力やセンスが問われます。
中身をしっかりを読んでもらう必要があるので読みやすいフォントであること、文字の大きさに注意することが重要になってきます。宛名部分や重要な部分を手書きにするのも効果的です。宛先ごとに宛名を手書きにすることは非常に手間や時間がかかります。しかし手書き文字を採用しているFAXDMは少ないため、誠意が伝わり目立ちやすいでしょう。
レター型デザインのFAXDMは文章を読んでもらうためにもキャッチコピーを目立たせることが重要です。例えば書店で本を手に取る場合には自分が興味のある背表紙の中からひとつの本を選びます。FAXDMもただのDMと思って目をやった際に興味深いキャッチコピーであればその先を読んでもらう可能性はかなり高まります。読みやすい文字やキャッチコピーも重要ですが、何よりも大切なのは「問い合わせてみよう」「検討してみよう」という相手の気持ちを動かす文章です。
どのような人に読んでもらいたいのか、自社商材で相手にどのような変化を与えられるのかを盛り込みましょう。実際の「お客様の声」「導入事例」「売上実績」などを掲載することで相手からの信頼性を高めることも可能です。相手が興味を持っても問い合わせ先が記載されていなければわざわざ調べて返信するということはありません。会社の「FAX番号」「メールアドレス」「担当者名」などは必ず記載することが大切です。
レター型デザインが向いている業界
レター型デザインが向いている業界や商材は以下のとおりです。
高価格の商材
高価格の商材をアピールしていきなり買ってもらうのは難しいでしょう。顧客も簡単には決断できません。価格に見合う価値があることや相手にどのようなメリットを生むかをFAXDMで伝えれば購入までのハードルが多少下がります。
セミナーや会員登録など
商材を説明するのにDMやパンフレットだけでは困難な商材もあります。実際に商材を使う様子や動かす様子をセミナーや動画で伝えたいなど、商品説明のためにワンクッション挟みたい場合はレター型デザインのFAXDMでセミナーや会員登録の案内をするのがおすすめです。
認知度が低い会社や商材
認知度が低い会社や商材はチラシ型デザインの場合、怪しいと受け取られることもあります。文章で丁寧に情報を伝えていく手法が有効です。また新しい概念のサービスやソリューションを伝えるのにも向いています。
FAXDMに記載する内容
FAXDMの基本や種類が分かったところでFAXDMに記載する基本的な内容について解説していきます。こちらの内容は「チラシ型デザイン」と「レター型デザイン」どちらにも共通する内容です。FAXDMの内容は企業や商材によってさまざまですが、一般的に以下のような項目は欠かせない重要な項目になっています。どれかを忘れると「どこか物足りない」「何を伝えたいのかよく分からない」「問い合わせしたいけど面倒だ」と感じさせてしまうので注意しましょう。「チラシ型デザイン」と「レター型デザイン」のどちらのタイプかを決めたうえで、オリジナリティを出しながらもこれから紹介する5点の内容を盛り込んでいくのがおすすめです。
ターゲティングコピー
誰に読んでもらうかを明確にする「ターゲティングコピー」はFAXDMデザインの重要なポイントです。何を解決したいのか、何について悩んでいるのかを考えてターゲットを明確にしたコピーを冒頭に提示しましょう。集客に悩んでいる、売上に悩んでいるなどターゲットによって解決したい悩みはさまざまです。
「これは自社のことだろうか」「ちょうど悩んでいた」と相手に思ってもらえると目を留めてもらいやすくなります。ターゲティングコピーは「ターゲットの悩み」+「ターゲット」といった構成にするのがおすすめです。例えば集客の場合「新規会員募集にお悩みの」+「〇〇様へ」「生徒募集にお悩みの」+「〇〇様へ」などとします。ただしターゲットを絞り込み過ぎると対象が絞られて反応が少なくなるので注意が必要です。
キャッチコピー
キャッチコピーは相手の注意を引き、見ただけで何を伝えたいかが分かるように作るのがポイントです。文字を小さくすれば長いキャッチコピーを作れますが読むのが面倒と思われれば目を通してもらえません。どこに注目したら良いのかを直感的に伝えにくいといったデメリットもあります。キャッチコピーは短めに分かりやすく作りましょう。
またキャッチコピーは一番目に付きやすいので営業色が強すぎると敬遠されてしまいます。例えば営業先に訪れる際にいきなり「この商品は素晴らしいから聞いてください」「安いから買ってください」などと冒頭で詰め寄る人はあまりいません。まずは目を引き、続きが読みたくなるように作るのがポイントです。FAXDMを受け取った相手は忙しくてDMを読むことに時間を割きたくないといった考えを持っている方もいるでしょう。
しかし先が気になるようなキャッチコピーであればついつい読んでしまいます。キャッチコピーに相手のメリットやベネフィットを入れるなど、相手にとってプラスになる情報を期待できるような内容を盛り込みましょう。
ボディコピー(広告本文)
キャッチコピーが抽象的なイメージなのに対してボディコピーは商材の特徴や魅力をアピールするなど、具体的に作成していきます。ボディコピーの役割は相手に「買いたい」「試してみたい」「もっと知りたい」と思わせることです。相手が商材を手にすることによってどのようなプラス効果になり、今ある問題を解決できるかを訴求できると良いでしょう。
ただしボディコピーで商材の情報を伝えるだけではただの紹介文になってしまいます。商材の魅力を存分に伝えることで相手の興味を引き出すことが大切です。FAXDMは性質上、A4用紙1~2枚に収めなければなりません。情報量を増やすために文字を小さくしたり文字数を増やすと相手に読んでもらえなくなる可能性もあるので注意しましょう。商材の情報や魅力は簡潔にまとめるのがおすすめです。相手の興味を引き出せたら実際のアクションにつながるようにオファーを提示していきます。
オファーを提示
オファーとはメインの提案に付随する「特典」「リスク保証」「サポート」「割引」などを指します。優れたオファーを用意していてもオファーを分かりやすく表現しておかなければ、相手が気づかないまま読み飛ばしてしまう場合もあるでしょう。オファーは相手からの問い合わせにつながるカギとなります。
はっきりと提示し相手に気づいてもらえるようにするのがポイントです。太字にする・文字の大きさを変える・四角枠で囲むなどが効果的です。オファーを目立たせることによって相手が注目するだけではなく、FAXDMデザインとして読みやすくなるメリットも生まれます。オファーの具体例は以下のとおりです。自社商材とマッチするようなオファーを提示し相手からのアクションにつなげましょう。
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問い合わせ先
FAXDMを見て興味を持ったものの具体的な問い合わせ先や申込方法が分からなかったり、面倒だったりして実際には申し込まなかったケースはよくあります。問い合わせ先は下部に分かりやすく大きめに表示するのが良いでしょう。ただし目立たせたいあまりに問い合わせ先を大きくし過ぎてしまうとボディコピーで魅力を十分引き出せません。
また相手のことを知りたいがために記入欄に必要記入事項を盛り込み過ぎると相手は面倒になって問い合わせを止めてしまいます。わざわざ電話をかけて申し込むのも面倒と感じる方もいるでしょう。電話をかけてもつながらない場合は再び電話をすることを忘れてしまう可能性もあります。FAXDMですぐにレスポンスを取りたい場合は相手が必要事項に記入してFAXで返信してもらう方法がおすすめです。
人は面倒なことを後回しにしがちなので今すぐ申し込みたくなるような「希少性」や「オファー」を提示し、読んだ後に「すぐに返信したい」と思わせるようなFAXDMデザインを心がけましょう。
まとめ
FAXDMデザインの一般的な種類やそれぞれのタイプが向いている業界・商材について解説しました。またどちらのデザインにも共通するFAXDMの書き方についても合わせてご紹介しています。ちょっとしたポイントを押さえるだけで相手の興味を引くような魅力的なFAXDMが作成できます。ぜひFAXDMデザインを作る際の参考にしてください。