BtoBの営業では、営業効率アップのために「営業リスト」を活用するケースが増えています。
営業スタッフのスキルに頼るだけではなく、豊富な営業リストを作って提案先を増やせば、おのずと結果も出てくるでしょう。
今回は、オススメの営業リスト作成ツールや、効果的な管理方法について詳しく解説していきます。
営業リスト作成ツールとは
「営業リスト作成ツール」とは、自社の営業方針に沿ったリストが作れるツールのことを指します。
独自の営業リストができれば、リストを活用して新規顧客の開拓に利用したり、既存顧客の営業結果を反映することも可能です。
営業リストの作成ツールには、無料と有料があります。
無料タイプは、リスト数が少なかったり抽出項目が限定されるなど、利用制限がかかる点に注意が必要です。
営業リスト作成ツールには、以下のような機能が搭載されています。
<営業リスト作成ツールの特徴や機能>
- WEBサイトや官公庁のデータをもとに、エリアや業種を指定してリスト抽出ができる
- 利益率や売上成長率が高い企業だけをリスト化するなど、成約確度の高い企業だけをリストアップできる
- SFAやCRMと連動させることにより、営業管理ができる
ただ、営業リストを用意するだけでは、効果は発揮できません。
営業リスト完成後は、データを最新の情報に保つなど、きめ細やかな管理をしていくことも重要です。
営業リスト作成ツールを利用するメリット
営業リスト作成ツールを導入しなくても、独自の方法で営業リストは作れるでしょう。
しかし、営業リスト作成ツールにはさまざまなメリットがあり、上手に活用すれば成約率アップにもつながります。
<営業リスト作成ツールのメリット>
- 業務効率化がはかれる
- 質の高い営業リストが作れる
業務効率化
営業リスト作成ツール導入の最大のメリットは、「業務効率化」です。
企業によっては、社内スタッフで営業リストを作成し、自社で管理しているケースがあるかもしれません。
社内スタッフで営業リストを作成したり管理したりすると、費用がかからないものの、実際はとても非効率です。
「営業リストを自社で作るケース」「ツールを購入するケース場合」とで、所要時間やメリットデメリットを比較してみましたので参考にしてください。
<営業リストを自社で作る場合と、作成ツールを導入した場合との比較>
質の高いリストの作成が可能
営業リスト作成ツールを導入すれば、営業対象となる企業情報だけを絞り込んだ「質の高い営業リスト」が作れます。
営業リストを内製で作るとなると、WEBサイトから情報をコピーしたり、過去の社内データをもとにリスト化したりするケースが多いのではないでしょうか。
WEBサイトに掲載されている情報は多岐にわたるため、一つひとつのデータをコピーするには時間がかかりますし、古い情報が含まれていることもあります。
営業リストの作成ツールを使えば、WEBサイトだけではなく複数の情報源から最新の情報を入手できます。
クラウドサービスを利用すれば、定期的に情報の更新もしてくれますので、営業効率を下げる心配もありません。
有料の営業リスト作成ツール
ここからは、営業効率アップに欠かせない営業リスト作成ツールを6つご紹介します。
有料の営業リスト作成ツールのほうが、付加価値も高く”現場ですぐに使える”など、さまざまなメリットがあります。
SalesNow
SalesNowは、大手企業を含む12,000社以上に導入されている、定番の営業リスト作成ツールです。
SalesNowの営業リスト作成ツールを使えば、500万件以上のデータから自社の営業方針に合う企業だけを抽出し、効果的な営業リストが作れます。
導入企業の口コミを見るとポジティブな意見も多く、導入企業からの評判も高いことがうかがえます。
<SalesNow導入企業の口コミ>
・リスト作成にかかる時間を100時間削減でき、受注率が2倍になった
・商談化率が従来の3倍になり1億円の受注も得られた
<SalesNowの特徴>
ラクリス
ラクリス(楽リス)の営業リスト作成ツールには、以下の特徴があります。
<ラクリス(楽リス)の特徴>
・成長力のある企業だけを絞り込める
・WEB露出が少ない企業を選定できる(他社が営業攻勢をかけていない可能性がある)
・複数のWEBデータからリスト作成できるツールのため、情報の精度が高い
キャンペーン期間中であれば、お試し用の営業リスト(300件)分を無料提供してもらえますので、テスト的に利用してみるのもいいでしょう。
<ラクリス(楽リス)の特徴>
GeAIne(ジーン)
高い成約率が見込めるリストを作りたいなら、GeAIne(ジーン)の営業リスト作成ツールを検討してみましょう。
GeAIne(ジーン)なら、AIが受注確度の高い企業だけを選定してくれるため、営業活動の無駄を可能な限り省けます。
リストアップした企業にメールでアプローチするサービスもありますので、飛び込み営業から反響営業にシフトすることも可能です。
<GeAIne(ジーン)の特徴>
ココリスト
営業リストを作る場合、作成ツールを導入せずに、名簿業者などからリストそのものを購入するケースもあるでしょう。
ただ、リスト自体を購入する方法では古い情報が含まれているケースも多いですし、費用も高額になります。(例:1件10円以上請求されるなど)
ココリストなら、情報1件あたりの単価は1円以下ですし、WEBサイトに公開されている企業情報だけを抽出できるため最新の情報が得られます。
<ココリストの特徴>
ソーシャル企業情報
営業リスト作成ツールのなかには、専用のソフトをダウンロードする必要があったり、操作が複雑なソフトもあります。
せっかく導入した営業リスト作成ツールでも、操作に時間がかかっていては営業機会の損失にもつながります。
「ソーシャル企業情報」が提供する営業リスト作成ツールは、クラウド型で特別なソフトをインストールする必要はありません。
契約も1ヶ月単位ですので、必要なタイミングで必要な期間だけ契約することも可能です。
<ソーシャル企業情報の特徴>
ユーソナー
ユーソナーが提供する営業リストは、国内拠点網羅率99.7%を誇ります。ユーソナーの最大の特徴は、「営業リストと各種ツールの連動が可能」な点にあります。たとえば人事異動のデータと突合させて、決裁権限者にリーチしやすい営業リストを作ったり、プレスリリースなどのメディア情報の参照も可能です。
反社会勢力のデータや行政処分結果なども参照できるため、営業でのリスク低減を目指したい企業にはオススメの営業リストといえます。
無料の営業リスト作成ツール
ここからは「無料の営業リスト作成ツール」を6つご紹介します。
ただ、無料のツールといっても、一定の条件や期間を超えると有料になってしまうツールがほとんどです。
自社の営業に合うかどうかお試し利用も可能ですので、営業リスト作成ツールの導入がはじめての企業は、ぜひ検討してみてください。
リストス
リストスを使えば、160万件の企業情報のなかから業種や地域を指定して、無料で営業リストが作れます。
収集できる件数は無制限で、メールやfax番号も抽出できるため、対象企業に一斉配信するなど営業効率を意識したリスト作成も可能です。
リストスには「期間限定の営業リスト配信サービス」もあるため、まずは無料登録してお試し利用するだけでもメリットはあるでしょう。
<リストスの特徴>
リストル
リストルは、自社の条件に沿った企業リストが作れるクラウド型のツールです。
インターネット環境があればどこからでもアクセス可能ですので、営業担当者が外出先でスマートフォンからリストを確認することも可能になります。
ただ、高機能な抽出項目はなく、リストに含まれる情報は「企業名」「電話番号」「fax番号」など基本的な内容のみに限定されます。
<リストルの特徴>
FUMA
FUMAも、無料営業リスト作成ツールのひとつです。
クラウド型で使いづらい場合は単価5円/件でCSV納品も可能ですので、自社のExcelデータとも突合できます。
FUMAの営業リスト作成ツールを使えば、公開されているWEBサイト情報はもちろん、紙媒体や有価証券報告書などのデータも収集できるようになります。
帝国データバンクの情報などともリンクできますので、信頼度が高い企業リストも作成可能です。
<FUMAの特徴>
BIZMAPS(ビズマップ)
BIZMAPS(ビズマップ)は原則有料のサービスですが、100件/月までなら無料でも利用できます。
小規模法人や営業担当者個人でリストを作りたいなら、無料プランで十分かもしれません。
無料でも、170万件の法人企業データベースから最新のデータを抽出できますので、情報精度も問題はないでしょう。
できあがったリストをもとに、決定権者にセールスレターを送付してもらえるサービス(有料)もありますので、営業効率を上げたいときにはぜひ検討してみてください。
<BIZMAPS(ビズマップ)の特徴>
MUSUBU
MUSUBUも、少量のデータ抽出だけなら無料で使えます。
ただ「リスト数は月間30件まで」と非常に少ないため、無料導入できる企業は限定的かもしれません。
MUSUBUは情報公開されている膨大なデータからリスト作成できるだけではなく、自社の営業活動結果の登録も可能です。
過去の営業履歴を反映できれば、これまでの交渉経緯を確認しながら営業ができますし、過去のクレームを知らずに営業してしまうなどのリスクも減らせます。
<MUSUBUの特徴>
SPEEDA
SPEEDAは7日間のフリートライアルが利用可能です。日数限定ではあるものの有料版と同じ機能を無料で利用できるため、本格的な導入を検討するためにお試しで利用したいという目的であれば十分であると言えるでしょう。
SPEEDAは営業リスト作成だけにとどまらず、営業戦略情報も提供してくれるシステムです。
営業先のリストアップだけではなく、業界の最新動向などのレポート機能もあるため、将来的に成長が期待できるターゲットに営業することも可能です。
営業リスト作成ツールを選ぶポイント
ここまでご紹介した営業リスト作成ツールを見ても、「結局どのツールを選べばいいのか迷う」と感じる人も多いでしょう。
営業リスト作成ツールの導入で迷った場合は、以下4点のポイントをもとに、自社に合ったツールの導入をオススメします。
<営業リスト作成ツールを選ぶポイント>
- 情報の量は豊富か?
- 情報源は信頼できるか?
- 検索絞り込み機能はあるか?
- 費用はどれくらいか?
情報の量の豊富さ
効果的な営業リストを作成するには、情報の「量」が非常に重要です。
営業リストの作成で重要になる「情報量」には、2つの意味があります。
- リスト作成の元になる情報源は豊富か?(対象となるWEBサイトの数や、情報数)
- 出来上がったリストには「営業に必要な情報」が網羅されているか?
たとえば、求人情報を出す企業に広告営業をしたい場合、抽出する求人サイトは多ければ多いほど対象企業は増えます。
大量のデータがあれば、自社に合った企業だけをリストアップできるでしょう。
作成が終わったリストにも、「営業に役立つ情報が多数含まれていること」が重要です。
企業名や連絡だけではなく、以下の情報が網羅されていると、成約見込みの高い企業だけを絞り込めます。
<営業リストで網羅したい情報の例>
- 最新の連絡先
- 売上高や利益率、売上成長率
- 最新の企業動向やニュースリリース(会社の方針や注力サービスがわかる)
- 広告出稿状況(広告費の予算を持っている会社を抽出できるなど)
情報源が信頼できるか
確度の高い営業をしたいなら、「情報源の信頼度」も大切なポイントです。
名簿業者からの転売データなどを扱う業者と取引してしまうと、情報鮮度も悪いですし個人情報保護法に違反してしまうリスクも出てきます。
「信頼できる情報源」としては、以下のようなデータがあてはまります。
- WEB上で公開されている最新データ
- 既存のWEB情報に加え国税庁の法人番号情報など国の機関と連携したデータ
- 情報の更新日を公開しているデータ
リスト作成ツールによっては、コンピューターが自動収集するだけではなく、「専任スタッフの人の目による精査」をしてくれる場合があります。
機械が判断できない情報も精査したうえでリスト作成が可能ですので、より信頼度の高い営業リストが作れます。
検索絞り込み機能がある
ほとんどの営業リスト作成ツールには、専用サイトで条件を指定し、自社にあったデータだけを絞り込める機能があります。
営業の効率アップには、大量のデータから自社の営業対象になり得る企業だけを抽出することが重要です。
できれば、以下のような検索絞り機能があるツールの導入をオススメします。
<営業リスト作成ツールに必要な絞り込み項目>
会社によっては、販売する商材やサービスが今後変わってくるケースもあるでしょう。
営業リストを長期間運用する場合も、検索項目ができるだけ多いツールの導入をオススメします。
費用(コスト)はいくらか
営業リスト作成ツールの導入に必要な費用はさまざまです。
初期費用不要で月額費用だけかかる場合もあれば、初期費用はかかるものの毎月リーズナブルな価格で利用できるタイプもあります。
営業リスト作成ツールを導入する際は、「費用対効果」について、よく検討するようにしましょう。
費用対効果をはかる指標としては、ROI(Return on investment)が一般的です。
ROIでは投資額に対する利益額を計算し、投資効果を算出します。
営業リストに必要な費用のほかにも、専任スタッフがいる場合は人件費も計算に入れて検討することが大切です。
<ROIの計算方法>
- 利益÷投資額×100
上記で算出したROIの率が高ければ高いほど、「費用対効果が良いツール」といえます。
実際には、販売する商材や販売数・営業結果がでるタイミングや利益率により、費用対効果は変わってきます。
営業リストの管理方法
営業リスト作成ツールで完成したリストも、管理を怠ると営業成果は出せません。
一度営業リストを作ったあとは、最新の情報に更新したり営業結果などをリストに反映し、「生きたリスト」にする必要が出てきます。
最後に、営業リストの管理方法についても詳しく解説します。
Excelを利用
簡単に営業リストを管理するには、Excelを利用する方法がいいでしょう。
普段の業務でExcelを利用している会社も多いため、Excelで管理する場合あらたな費用発生はありません。
ただ、専用の管理ツールを使わずにExcelで管理してしまうと、以下の問題が発生する可能性もでてきます。
- 入力ミス…情報の追加や更新時に入力ミスが発生し、間違った情報が登録される
- 数式のミス…情報集計でミスが発生する
- コピペミス…既存の営業情報などを間違ってコピペしてしまう
- 削除ミス…情報やExcelのシートを消してしまう
Excelには上記のリスクもありますが、独自で管理シートをカスタマイズできる点はメリットのひとつです。
「管理のしやすさ」「柔軟性」といった部分を重視したいなら、Excelでの管理をオススメします。
顧客管理システムを活用
SFAやCRMなど、専用の管理システムを使う方法もあります。
システムの特徴などはあとで触れますが、Excelで管理する場合と比較して、SFAやCRMには以下のような特徴があります。
<営業リストの管理方法/ExcelとSFA/CRMで比較>
単にデータを保管しておくだけではなく、営業結果を入力して担当者の改善点などを見つけ出したい場合は、SFAなどの専用ツールで管理したほうがいいでしょう。
SFAとは
SFAは「Sales Force Automation」の略で、営業に関係する情報の入力・管理・分析を自動化できるツールのことを指します。
SFAを使えば、以下のような管理が簡単にできます。
<SFAを使った営業管理の例>
SFAはタブレットやスマートフォンで閲覧できる点が、大きなメリットのひとつです。
外出先でも営業リストの閲覧や入力ができますので、入力や報告のためだけに帰社する必要もなく、働き方改革にも一役買ってくれるかもしれません。
CRMとは
CRMは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略語です。
簡単にいうと、「顧客管理システム」のことを指します。
SFAが顧客の情報や営業担当者の分析に使用するツールであるのに対し、CRMのシステムは「いかに顧客との良好な関係を築くか」に重きが置かれます。
たとえば、会計ソフトを購入した法人顧客の場合で考えてみましょう。
自社の会計ソフトを購入したA社の情報をCRMで管理すると、以下のようなことができるようになります。
<CRMを使った顧客管理の例※会計ソフトを購入した法人顧客の場合>
ただ、SFAやCRMは管理や操作方法に慣れるまでに時間がかかる場合も多く、システム管理の専任スタッフが必要になるケースがあります。
費用対効果を検証する場合は、専任スタッフの人件費や時間効率なども考慮し、収益メリットがあるかどうか吟味することも必要です。
外注業者を利用
営業リストの管理そのものを、外注業者に委託する方法もあるでしょう。
リスト管理を専門業者に外注すれば、WEB情報も定期的に更新してくれますので最新の情報鮮度が保てます。
営業リストの管理を外注する場合、「付加サービスも委託できる」といったメリットもあります。
たとえば、以下のような運用を委託する方法もあるでしょう。
- アポイント取得を外注する…営業リストの管理と更新を外注し、同時にリスト情報をもとに対象企業のアポ取得をしてもらう
- フォロー業務を外注する…リスト管理と並行し、顧客のアフターサービスも委託する。既存顧客のフォロー業務を外注できるため、自社営業スタッフは新規開拓に専念できる
営業リスト作成ツールを購入する場合は、オプションサービスの利用を視野にいれた業者選びが大切です。
まとめ
営業リストを新規で作成する場合は、自社で作業するよりも「営業リスト作成ツールを購入する」ほうが、なにかとメリットが多いことはご理解いただけたでしょう。
多少の費用はかかっても、費用を投資することで、営業成果を従来の2倍…3倍…と上げられるかもしれません。
今回の記事を参考に、ぜひ自社商品やサービスにあった営業リスト作成ツールを探してみてください。