「カスタマーサクセスについてのおすすめの本が知りたい」
こんな悩みを抱えていませんか。
この記事では、カスタマーサクセスについてのおすすめの本8冊を紹介しています。
カスタマーサクセスとは
「カスタマーサクセス」とは、自社のサービスや商品を売るだけでなく、そのサービスや商品で顧客を満足させる概念です。顧客に対し、能動的にアドバイスやサポートなどを通じて働きかけることで、顧客の事業成長や満足度上昇を目指します。「顧客に対する価値の提供」という概念で使用されることもありますが、職種名としても使用されています。
カスタマーサクセスと名称が似ている「カスタマーサポート」がありますが、両者は全く違います。カスタマーサポートは、顧客からの要望に対して、受動的に対応をしていくという手法です。名称が似ているので混同してしまいがちですが、違う意味を持つことを把握しておきましょう。
カスタマーサクセスおすすめ本
カスタマーサクセスは、アメリカのシリコンバレーの企業から日本に広がりました。
取り入れる日本企業も増えており、成功事例を元にたくさんの書籍が発売されています。
ここからは、カスタマーサクセスについて書かれたおすすめの本について紹介していきます。
カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
「カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」は、洋書から翻訳されました。カスタマーサクセスの最前線であるアメリカで活躍する、ニック・メータ氏ら4人による共同著書です。サブスクリプションビジネスに携わった4人が、その知識の集大成として書いたのが本書です。
新しいビジネスである「サブスクリプション型」のビジネスを中心に、カスタマーサクセスの重要性について書かれています。サブスクリプション型のビジネスでは、新規顧客の獲得よりも、既存顧客の維持が大切だといいます。
主な内容は以下の3つです。
- カスタマーサクセスの歴史、組織、必要性
- カスタマーサクセスの10原則
- 最高顧客責任者(CCO)、テクノロジー、未来
カスタマーサービスの歴史から、必要性、実践のための10のポイントや、今後についてまで網羅されています。著者らは、これからの時代、ものを売ることよりも、能動的に顧客に関わることで、顧客の成功に導くことが大切だといいます。
サブスクリプションビジネスの事業の観点から、カスタマーサクセスを学びたい方に必読の1冊です。
カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
「カスタマーサクセスとは何か―日本企業にこそ必要なこれからの顧客との付き合い方」は、弘子ラザヴィ氏の著書です。弘子氏は経営コンサルタントで、サクセスラボ株式会社の代表取締役を勤めています。
スタンフォード経営大学院の起業家養成プログラムでカスタマーサクセスに出会い、日本での必要性を感じ、アメリカでの経験から、弘子氏は帰国後にカスタマーサクセスは日本企業にこそ必須の概念だと主張しています。
今後の日本企業は「売り切る」ことを目的にするのではなく「体験」に力を入れるスタイルに変わらなければないといいます。
内容は以下の通りです。
- 日本企業にカスタマーサクセスが必要な理由
- カスタマーサクセスとは一体何か
- 日本におけるカスタマーサクセスの現状
- キャリアとしてのカスタマーサクセス
日本企業は、カスタマーサクセスを正しく捉えられていないと主張し、それを根本から変えることを目的として書かれています。
日本企業としてのカスタマーサクセスの捉え方を知りたい方から、キャリアとしてのカスタマーサクセスについて幅広く学べるのです。
リクルート、メルカリ、Sansanの事例を元に書かれているので、知見を広げたいビジネスマンや経営者におすすめの1冊です。
増補改訂版 カスタマーサクセス実行戦略
「増補改訂版 カスタマーサクセス実行戦略」は、山田ひさのり氏の著書で、『カスタマーサクセス実行戦略』の増補改訂版です。
カスタマーサクセスの概念や役割を体系的に学べることから好評だったため、最新の知見と実践を追記して再出版されました。
山田氏は、Sansan株式会社に入社後、カスタマーサクセス部で戦略立案のサポートを行ってきました。
Sansan株式会社は、創業当時からカスタマーサクセスに取り組んでおり、その知識の詳細が書かれています。
カスタマーサクセスは海外で生まれたものなので、日本企業であるSansanでの適切な導入手法についても紹介されています。
主な内容は以下の5つです。
- カスタマーサクセスの概要
- カスタマーサクセス戦略
- カスタマーサクセスをスケールするためのテクノロジー
- カスタマーサクセスを実現する組織と人材
- カスタマーサクセスを支える、さまざまな組織
カスタマーサクセス立ち上げのための組織の作り方や人材育成、評価軸についても紹介されています。
これからカスタマーサクセスの組織を立ち上げる方や、ノウハウを知りたい方におすすめの1冊です。
サブスクリプション・マーケティング―モノが売れない時代の顧客との関わり方
「サブスクリプション・マーケティング―モノが売れない時代の顧客との関わり方」は、アン・H・ジャンザー氏の著書です。アメリカで注目されたことから、小巻靖子氏によって翻訳され、日本でも人気を博しています。
アン氏は、著述家、マーケター、ライティングコーチとして、100社以上の企業と仕事をした経験から本著を記しました。
ある日、アン氏自身は本やCDなどを買わずにサブスクリプションを利用し、ものを買わなくなったことに気づきました。これをきっかけに、人々は「サブスクライバー」になり、ものを買う判断をしなくなっていると考えています。
アン氏は近い将来、人々は何も買わなくなってしまい、あらゆるビジネスが変革していくと予想しており、このような「モノが売れない時代」がはじまった今、何をするべきかという実践のための指針を示しているのです。
主な内容は以下の3つです。
- サブスクリプション・シフト
- 価値育成のための戦略
- 戦略の実践
サブスクリプションへの移行についての考え方から、戦略の実践について語っています。
今後のサブスクリプションビジネスの流れや、企業が立てるべき戦略について学びたい方におすすめの1冊です。
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) は、福田康隆による著書です。福田氏は、米オラクル本社、米セールスフォース・ドットコムなどアメリカ企業での実務を経験しまし、その後、現在はジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社の代表取締役社長を勤めています。
福田氏はアメリカで、日本人は生産管理には徹底しているものの、営業に関しては力を入れていないことに気づきました。
本著では、その経験からこれまでの営業は通用しないと主張し、日本企業の営業手法に警鐘を鳴らしています。
主な内容は以下の通りです。
- アメリカで見た新しい営業のスタイル
- 分業から共業へ
- さまざまな営業手法のプロセス
- 3つの基本戦略
- 人材・組織・リーダーシップ
本著は、カスタマーサクセスについてだけでなく、営業の3つの分業の重要性を主張しているのが特徴です。
営業をマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスに分け、その後にカスタマーサクセスが位置しています。戦略、プロセス、人材、組織、リーダーシップの観点から「ザ・モデル」を作るためのヒントを解説しています。
カスタマーサクセスだけでなく、アメリカ企業の営業手法についても学びたい方におすすめの1冊です。
サブスクリプション―「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
サブスクリプション―「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデルは、ティエン・ツォ氏、 ゲイブ・ワイザート氏の共同著書です。ティエン氏は、Zoraを創業後、ZuoraのCEOとして、急速に成長するSaaS企業を立ち上げてきました。ゲイブ氏は、Zuoraの『Subscribed』誌編集長で、サブスクリプションについての記事の執筆・編集業務に携わりました。
ティエン氏は「サブスクリプション・エコノミー」という言葉を掲げ、1000社以上のサブスクリプション化の支援実績があります。
あらゆるサブスクリプションビジネスに対応可能なプラットフォームを構築したことが評価されています。
項目別の内容は、以下の通りです。
- 製品中心から顧客中心へ
- 小売業にまつわる誤解
- メディアの隆起
- 飛行機・自動・電車サービスのモビリティ
- 新聞・出版
- テクノロジー産業の復活
上記のように、さまざまな業界に分けて、新しいサブスクリプションビジネスについて語っています。
特定の業界についてのサブスクリプションビジネスを知りたい方におすすめの1冊です。
売上につながる「顧客ロイヤルティ戦略」入門
「売上につながる顧客ロイヤルティ戦略入門」は、遠藤直紀氏と、武井由紀子氏の共同著書です。
遠藤氏と武井氏は、アクセンチュアに入社し経験を積んだのち、共に株式会社ビービットを設立しました。コンサルティングファームであるビービットは、UXコンサルティングでUXグロース支援を推進しています。
その経験から、「顧客志向が収益につながる」という考えを元に、顧客満足度を上げる大切さを強調してきました。顧客志向を建前で終わらせないための真の顧客志向のサービスの提供について語っています。
主な内容は以下の通りです。
- 顧客満足が高いのに競合に勝てないワケ
- 良い売上にフォーカスする
- 顧客を怒らせる方法を考える
- 顧客の声を集める
- 顧客は6タイプに分けて考える
- 客の行動はウソをつかない
- 顧客と共に改善する
- 顧客志向文化を形成する
顧客を怒らせる方法を考える、というユニークな思考方法についても詳しく語っています。
カスタマーサクセスに必要な思考である、真の顧客満足度を上げる方法について知りたい方におすすめの1冊です。
【番外編】インサイドセールスおすすめ本
ここからは、インサイドセールスのおすすめ本1冊を、番外編として紹介します。
カスタマーサクセス・プロフェッショナル―顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて
カスタマーサクセス・プロフェッショナル―顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべては、アシュヴィン氏らによる共同著書です。
アシュヴィン氏は、カスタマーサクセスに力を入れている企業であるGainSightのCCO(チーフカスタマーオフィサー)で、カスタマーサクセス、プロフェッショナルサービス、テクニカルサポートなどを統括してきた実務経験から本著を執筆しました。
アシュヴィン氏は、カスタマーサクセスで顧客に耳を傾け、ニーズを理解し、顧客を成果に導くことが大切であり、その過程で、モノを売って終わりではなく「顧客を成功に導くという結果」を売る必要があると語っています。
顧客に耳を傾け、ニーズを理解し、顧客が製品やサービスを使って成果に導くことがビジネスの成功の鍵を握っているのです。
主な内容は以下の通りです。
- カスタマーサクセスとは何か、なぜそれは素晴らしい仕事なのか
- 優れたカスタマーサクセスマネジャーの必須スキル
- カスタマーサクセスの実践
- 優れたカスタマーサクセスマネジャーを育成し、流出を防ぐ
カスタマーサクセス担当者に求められるスキルを網羅的に解説しています。
企業での実務経験を元に執筆されているので、実践方法や必須スキルについて学びたい方におすすめの1冊です。
まとめ
この記事では、カスタマーサクセスのおすすめの本8冊について紹介しました。
昨今、ものを売る時代は終わり、サブスクリプションビジネスが主流になってきています。どの著書でも共通して言われていることは、顧客満足度を上げることはビジネスの維持に必須だということです。
カスタマーサクセスについてしっかり学ぶことで、顧客満足度を上げ、ビジネスの成功につなげましょう。